勧めたい投信信託と海外・国内ETFの商品

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勧めたい投信信託と海外・国内ETFの商品

前回、インデックス投資では投資信託がオススメであると書きました。

資産運用

今回は、具体的にどの投信信託と海外・国内ETFが良いのか紹介していきます

記事の内容

・勧めたい投信信託と海外・国内ETFの商品
・商品を選ぶポイント

勧めたい投信信託と海外・国内ETFの商品

私が勧めたいインデックス商品は、ずばり投資信託のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です

私はインデックス投資において投資信託を勧めています。

インデックス投資では人気の商品であり、投資を始めている方はご存知でしょう。

では、どういった点で優れているのでしょうか。

まずは商品を選ぶポイントから見ていきましょう。

 

商品を選ぶポイント

1.何と連動としているか

投資信託でもETFでも、何と連動している商品を選ぶかが一番大事となります。

ここがしっかりしていれば、投資信託かETFかは手段の違いに過ぎません。

今までインデックス投資が良いということを書いてきました。

限られた業種のテーマ型ではなく、株価指数に連動したものが良いということですね。

 

テーマ型にはAI、ロボットなど、成長が期待される産業に特化した商品があります。

しかし、これらは長期投資に向いているとは言えません。

リスク分散がされておらず、一時の値上がりがあっても長続きしないからです。

今までもバイオブームがあったりITバブルがありましたが、バイオ株も上がり下がりを続け、ITバブルははじけましたね。

また、一般的に話題になっているテーマは、既に高値になっている場合が多いです。

20年、30年に渡る長期投資を考えた場合、ベースはより広い銘柄に分散し、着実な右肩上がりの恩恵を受けることが良いです。

 

人気のあるNASDAQ100に連動するETFのQQQも、ややテーマ型の性格を持っていると言えます。

NASDAQ100は大型ハイテク株が上位を占め、ITセクターの比率が高くなっています。

ここ5年では、S&P500に連動するETFのVOOより高いリターンをあげています。

しかし、リスク(振れ幅)も非常に大きいです。

こちらは、各指数の年率換算のリスクリターンを表したグラフです。

S&P500は、アメリカの代表的な500銘柄を時価総額加重平均した指数ですね。

NASDAQ100のリスクは、S&P500の倍近くあります。

ちなみに、2001年に起きたITバブル崩壊で、QQQは値が1/5にまで下がりました。

その後、最高値を更新するまで15年かかっています。

 

QQQはリターンも期待できますが、ベースにはより広くに分散された指数を選ぶ方がベターです。

QQQなどはスパイスとして加えるといった形が良いのではないでしょうか。

 

ベースには株価指数に連動するものをオススメすると書きました。

連動する株価指数は、『世界』か『米国』を対象したものが良いです。

インデックス投資は、『経済が右肩上がりに成長する』という理念に基づいており、それを体現しているのが世界と米国だからです。

他にも日本や新興国を対象としたものもありますが、今までの結果やこれからのことを考えても、あまり良い選択肢とは言えません。

日本の株価指数が30年たってもバブル期を超えられていないのは、周知の通りです。

新興国も、中国やインド、ブラジルを盛り込み成長が期待されていますが、期待通りのリターンが得られているかというとそうでもないです。

 

一般的なのは、『全世界』を対象とした商品を選ぶことですね。

ちなみに全世界のうち6割弱を米国が占めています。

GAFAMが牽引する今を見ても、米国優位であることは言わずもがなでしょう。

そういう観点から、『米国』のみを対象としても良いと思われます。

『全世界』よりもリターンを期待するということですね。

 

しかし、以前の記事でも書いたように、投資をする上でリスク分散は大切です。

『米国』のみを対象とすることは、リターンを期待する分リスクもあるということです。

 

以上の観点から、インデックス投資でも『全世界』vs『米国』の議論が起きています。

皆さんリターンやリスクを十分承知の上で、どちらかを選んでいます。

 

ちなみに自分の場合は、『全世界』50%、『米国』50%で投資しています。

リスクは分散したいし、かといって米国優位の恩恵も受けたいという、良いとこどりとも中途半端ともいえる選択です。

投資に正解はなく、どちらかを選ばなければいけないということもないので、こういう選択もありということです。

何十年後かに、どちらが良かったか答え合わせをするのも面白いかなと思っています。

どちらかのみを選んで、もう一つの方が良かったと後悔するよりはいいという観点です。

 

『全世界』の指数はいくつかありますが、多少の差はあれど運用成果に大差はないと言えます。

具体的には、MSCIオールカントリーワールド(大型・中型株)や、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(大型から小型株まで)などがあります。

 

小型株を含むということは、より広く銘柄を分散し、全世界の時価総額のカバー率も高いです。

大型・中型株のみということは、大型株の占める割合が高くなり大型株の値動きに左右されやすいです。

 

『米国』の指数で多く使われているのがS&P500で、もっと幅広くカバーしているものもあります。

どちらにしても、メジャーどころを選ぶということが良いです。

 

2.コスト

次に大事なポイントは、コストです。

コストがかかる分、我々の手元に残る額が少なくなるからです。

特に、大部分を占め毎年かかる信託報酬はしっかり見る必要があります。

同じ指数を対象とした商品を選ぶ場合、信託報酬が低いものの方が良いです。

 

信託報酬に加え、売買委託手数料や為替コストといったいわゆる隠れコストがあります。

これも最近では明らかになっており、信託報酬だけ低くて実質コストは高いという商品はあまり多くないです。

買う場合は、きちんとこのあたりも確認した方が良いですね。

 

また、信託報酬引下げの実績があるとさらに良いです。

競合する商品が新しく出た場合や信託報酬を下げた場合、追随して下げてくれる商品は優良といえます。

 

3.資産額

コストと並んで大事なポイントが資産額です。

純資産総額が大きいか増えているかという点が大事なポイントです。

純資産総額が大きければ、繰上償還の可能性が低くなります。

繰上償還とは、投資信託の運用が終了することです。

具体的には、投資信託の口数や純資産額が少なくなり、ファンドの効率的な運用が困難になった場合に起きます。

繰上償還になっても保有財産がなくなるわけではなく、償還金として現金に換金されてしまうということです。

 

繰上償還のリスクが低い目安は最低30億で、100億あれば安心とも言われています。

繰上償還の条件は目論見書という投資信託の説明書に書かれているので、チェックしておきましょう。

 

保有財産の安全性についても述べておくと、投資信託の場合は販売会社、運用会社、信託銀行が関わっており、それぞれの機関が破綻したとしても保有財産がなくなることはありません。

ETFの場合も、保有証券を管理する保管機関や運用会社が破綻したとしても、保有証券は受益者の資産として保護されます。

ちなみに、純資産総額が大きいから良いファンドというわけでもありません。

日本の投資信託のなかでも、純資産総額が大きいものが必ずしも運用収益が良いわけではなく、また資産額が増えているわけでもありません。

そのため、資産額が増えているかどうかも大切です。

 

今まで商品を選ぶポイントを3つあげましたが、一番大事なのは何を指標としているかです。

その中で選ぶ基準として信託報酬や純資産総額をみていくと、良い商品が見つかっていきます。

 

オススメの投資信託は

それでは、具体的にオススメの商品について説明していきましょう。

まずは投資信託の商品です。

1.オススメの投資信託はeMAXIS slim 全世界株式と米国株式

自分が勧める投資信託は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。

インデックス投資をしている人には定番ともいえるファンドです。

インデックス投資では、あえて人と違うファンドを選ぶ必要はありません。

定番でいいんです。

もちろん良いファンドといえる理由がいくつかありますので、見ていきましょう。

 

2.eMAXIS slim全世界株式と米国株式を勧める理由

連動する指数は、eMAXIS slim 全世界(オール・カントリー)がMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)で、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)がS&P500です。

どちらもメジャーな指数で、多くの銘柄に分散されています。

MSCI ACWIは大型株と中型株を対象とし、時価増額の85%をカバーしています。

eMAXIS slim 全世界の基準価額の推移(青線)と純資産額(緑)がこちらです。

eMAXIS slim 全世界(オール・カントリー)

コロナショックで2020年は下がりましたが、その後は右肩上がりです。

 

コストの面でもeMAXIS Slimシリーズは優秀です。

信託報酬、実質コストも最低クラスです。

全世界、米国を対象とした主な投信信託の信託報酬、実質コスト、純資産総額、直近1ヵ月の純資産推移を表にしてみます。(2021/12現在)

ファンド信託報酬実質コスト純資産総額純資産推移(月)
eMAXIS slim 全世界株式 (オール・カントリー)0.1144%0.175%3770億+239億
SBI・全世界株式 インデックス・ファンド0.1102%0.133%450億+19億
楽天・全世界株式 インデックス・ファンド 0.212%0.240%1440億+22億
eMAXIS slim 米国株式 (S&P500)0.0968%0.1214%8920億+714億
SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド 0.0938%0.1123%4300億+322億
楽天・全米株式 インデックス・ファンド 0.162%0.187%4450億+22億
2021/12現在

全世界で注目した場合、SBI・全世界株式が一番実質コストが低いですが、運用成果でみると実はeMAXIS slimとほとんど差がありません。

それは、SBI・全世界株式が米国ETFを介して全世界の株式に投資するため、課税が三重になるという問題があるからです。

これは楽天・全世界株式も同じです。

そのため、SBIと楽天は実質コスト以上にわずかにリターンが下がります。

 

eMAXIS Slim 全世界株式は、直接日本から全世界の株式に投資するので、三重課税問題がありません。

その結果、運用成果はむしろ計算上eMAXIS slimの方がわずかに良いと言えます。

楽天・全世界株式はSBI・全世界株式よりコストが高い分、運用成果も落ちます。

 

eMAXIS Slimシリーズは『業界最低水準の運用コストを目指す』としており、実際eMAXIS Slim 全世界株式も米国株式も、他のファンドに対抗し信託報酬を2回引き下げた実績があります。

これから先も、低コストのファンドが出た場合、追随してくれるでしょう。

 

他の注目点として、eMAXIS slimは純資産総額、1月あたりの流入額が共に大きいです。

全世界においては、eMAXIS slimが断トツで資産を増やしていますね。

米国においても、このままのペースで増えれば一兆円が見えてきます。

繰上償還のことを考えると、今のところ他のファンドより安心感がありますね。

 

ちなみに自分は、毎月eMAXIS Slim 全世界株式 50%、eMAXIS slim 米国株式 50%で購入しています。

eMAXIS Slim 全世界株式の内訳は、米国 56%、日本 7%、その他先進国 25%、新興国 12%です。

『全世界』50%、『米国』50%とすると、米国 78%、日本 3.5%、先進国 12.5%、新興国 6%となります。

米国以外の成長が大きくは望めないと考えているので、分散はしつつ米国に重きを置いているという感じです。

 

オススメのETFは

続いて、ETFについても書いていきます。

1.海外ETF

海外ETFでオススメのものを、簡単な特徴を踏まえて紹介していきます。

SPY SPDR S&P500 ETF 信託報酬 0.09% 純資産 48.8兆円
対象はS&P500で、純資産額が最大。

VOO バンガード・S&P500 信託報酬 0.03% 純資産 31.7兆円
対象はS&P500で、信託報酬が低い。

IVV iシェアーズ・コア S&P 500 ETF 信託報酬 0.03% 純資産 37.6兆円
対象はS&P500で、信託報酬が低い。

VTI バンガード・トータル・ストックマーケットETF 信託報酬 0.03% 純資産 33.2兆円
対象は米国市場の3800以上の銘柄をカバーし、中小型株まで組み込んでいる。

VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 信託報酬 0.08% 純資産 2.9兆円
全世界の市場時価総額の90%以上をカバーする47ヵ国、約2900銘柄で構成されている。

VYM バンガード・米国高配当株式ETF 信託報酬 0.06% 純資産 4.6兆円
全米国銘柄の中から大型株を中心に予想配当利回りが市場平均を上回る約400銘柄で構成されている。

SPYD ポートフォリオ S&P500 米国高配当株式ETF 信託報酬 0.07% 純資産 0.6兆円
S&P500の採用銘柄のうち配当利回りが高い80銘柄の指数に連動している。

QQQ パワーシェアーズQQQ 信託報酬 0.2% 純資産 23.9兆円
NASDAQに上場している非金融企業100社を含むNASDAQ100指数に連動している。

 

信託報酬や純資産額は2021年11月現在のものです。

見ての通り、バンガード社、ブラックロック社、SSGA社のETFで占められていますね。

純資産総額はどれも言うまでもなく大きいので、これらを選べば繰上償還の心配はまずないと言っていいでしょう。

 

対象を米国とした場合、S&P500に連動したものか、より広くカバーしたVTIとするかでまず選ぶことになります。

全世界を対象としたものを選ぶのであればVTですが、純資産額は少なめです。

 

配当のインカムゲインを期待するのであれば、VYM、SPYDがよく話題にあがりますね。

構成銘柄数が異なるため、分散させるか少数でリターンを期待するかといったところかと思います。

SPYDの純資産額が少ないのは意外でした。

eMAXIS slim 米国株式 (S&P500)の方が多いですね。

 

QQQについては上でも話しましたが、サブ的なポジションが良いと思われます。

 

2.国内ETF

国内ETFでオススメのものを、簡単な特徴を踏まえて紹介していきます。

2558 MAXIS米国株式(S&P500上場投信 三菱UFJ 国際  上場日 2020/1
純資産 278億 信託報酬 0.0858% 実質コスト 0.159%
対象はS&P500で、 信託報酬が低い。

1655 iシェアーズ S&P500米国株ETF ブラックロック 上場日 2017/9
純資産 862億 信託報酬 0.165%(2022/6まで0.0825%)  実質コスト 0.223%(2022/6まで0.140%)
対象はS&P500で、純資産額が最大。海外の運用会社なので、繰上償還の可能性がやや高いとも。

2633 NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信 野村アセット 上場日 2021/3
純資産 59億 信託報酬 0.099%(2022/12まで実質0.77%) 
対象はS&P500で、コストがも最も低い 。上場からまだ日が浅い。

2559 MAXIS全世界株式 (オール・カントリー)上場投信 三菱UFJ国際 上場日 2020/1
純資産 120億 信託報酬 0.0858% 実質コスト 0.157%
対象はMSCI ACWIで、2021/12現在日本を含む全世界を対象とした唯一の国内ETF。

 

こうして見ると、新規のものが多いですね。

国内ETFについてはまだ発展途上といえるでしょう。

 

上記のものは、全て外国税額控除の対象となっています。

外国税額控除の対象ETFの場合、現地の課税分を自動的に取り戻してくれます。

外国税額控除に対応していないETFもありますが、その場合自分で確定申告時に調整する必要があります。

あえて対応していないETFを選ぶ必要はないでしょう。

 

他の商品にも分散する必要があるか

投資をする上で分散投資は大切と書きましたが、投資信託やETFでは保有財産が守られているため、似た商品を複数買うメリットはあまりありません。

全世界をベースに米国や新興国を加えたり、QQQなどを加えたりといったものは良いですが、全世界を対象としたものをいくつも買うのは管理が面倒になりますし、一つに絞って良いでしょう。

 

まとめ

オススメのインデックス商品はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。

運用成果申し分なく、連動する指数やコスト、純資産額の観点からもとても良い商品です。

他にも、いくつかの商品を簡単に紹介させていただきました。

 

同じようなブログや本が数多あるりますが、参考の一つにしてもらえればと思います。

ブログタイトルに「実体験をもとにお伝えする」とあるように、今後実際の運用成績についても公開する予定です。

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